○職員のハラスメントの防止等に関する要綱

令和二年十二月一日

要綱第二号

(趣旨)

第1条 この要綱は、職場におけるセクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント及び妊娠、出産、育児または介護に関するハラスメント(以下「ハラスメント」という。)の防止並びにハラスメントに起因する問題が発生した場合の対応等に関し、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) セクシュアル・ハラスメント 職員が、職場において他の職員(直接的な被害者に限らず、当該行為等により職場環境等を害されたすべての者を含む。以下同じ。)を不快にさせる性的な言動をいう。

(2) パワー・ハラスメント 職務上の力関係で優位にある職員が、職場において他の職員に対し、本来業務の適正な範囲を超えて人格や尊厳を侵害する言動をいう。

(3) 妊娠、出産、育児または介護に関するハラスメント 職員が職場において他の職員に対し、妊娠若しくは出産または妊娠、出産、育児若しくは介護に関する制度若しくは措置の利用に関し、当該職員の勤務環境を害するような言動をいう。

(4) ハラスメントに起因する問題 ハラスメントのため、職員の職場環境が害されること及びハラスメントへの対応に起因して職員が勤務条件につき不利益を受けることをいう。

(5) 職場 職員が業務を行うすべての場所をいい、職員が通常勤務している場所以外の場所も含まれる。また、勤務時間外の会席等であつても、実質的に職場の延長と見なされる場合はその場所も含むものとする。

(6) 職員 職員(非常勤職員、臨時職員を含む。)、人材派遣契約、業務委託契約等による業務従事者など村の業務に従事するすべての者をいう。

(適用範囲)

第3条 この要綱は、職員の間の問題及び職員と村民等との間の問題に適用する。

(禁止事項)

第4条 職員は、職場において、男女が対等平等な関係で快適に働くことができる職場環境を保持する義務を負うとともに、職場内において次の各号に掲げるセクシュアル・ハラスメントをしてはならない。

(1) 性的な冗談やからかい、意図的な性的なうわさ及び個人的な性的体験等の性的な発言並びに性別による差別発言

(2) 卑わいな写真等の配布や掲示、身体を執ように眺め回す等の視覚による性的な行為

(3) 性的関係の強要、身体への不必要な接触、食事等の執ような誘い、執ような電話やメール、尾行等の性的な行動

(4) その他職員に不快感を与える行為

2 職員は、職場において、職位、役職若しくは雇用形態または性別若しくは年齢等にかかわらず、職場の職員に対して敬意の念を持つて接し、職場における良好な人間関係及び協力関係を保持する義務を負うとともに、次の各号に掲げるパワー・ハラスメントをしてはならない。

(1) 侮辱的な言動や嫌がらせ、乱暴な言動、噂の流布等により、職場環境を悪化させたり、職員を身体的・精神的に傷つける行為

(2) 不当な人事、解雇、配置転換等不利益を与える行為や雇用不安を与えるような言動

(3) 職員の就業意欲を極端に低下させ、能力の発揮を阻害するような叱責、指導または教育

(4) 集団で特定の職員を侮辱したり、孤立させる行為

(5) その他職員に不快感を与える行為

3 前項第3号に掲げる行為については、本来の業務範囲における必要な指導等をも妨げるものではない。

4 職員は、職場において、他の職員を業務遂行上対等な関係として認め、職場における健全な秩序及び協力関係を保持する義務を負うとともに、次の各号に掲げる妊娠、出産、育児または介護に関するハラスメントをしてはならない。

(1) 妊娠または出産したことにより、解雇その他不利益な取扱いを示唆する言動

(2) 妊娠または出産したことに対する嫌がらせ

(3) 妊娠、出産、育児または介護に関する制度や措置の利用等に関し、解雇その他不利益な取扱いを示唆する言動

(4) 妊娠、出産、育児または介護に関する制度や措置の利用等を阻害する言動

(5) 妊娠、出産、育児または介護に関する制度や措置を利用したことによる嫌がらせ

5 前項第1号第3号及び第4号に掲げる行為については、業務分担、安全配慮等の観点から、業務上必要な言動をも妨げるものではない。

(職員の責務)

第5条 職員は、前条に規定するハラスメントをしないように注意しなければならない。

2 職員を管理監督する地位にある者(管理監督者)は、良好な職場環境を確保するため、日常の執務を通じた指導等によりハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対処しなければならない。

(研修等)

第6条 村長は、職場におけるハラスメントを防止するため、職員に対する研修の実施等の措置を継続的に講じなければならない。

(他の任命権者との連携)

第7条 村長は、村長部局に属する職員が他の任命権者に属する職員(以下「他任命権者職員」という。)からハラスメントを受けたとされる場合には、当該他の任命権者に対し、当該他任命権者職員に関する調査を要請するとともに、必要に応じて当該他任命権者職員に対する指導等の対応を行うよう求めるものとする。また、村長は、他の任命権者から当該調査または対応を行うよう求められた場合には、これに応じて必要な対応を行うものとする。

(懲戒)

第8条 第4条に掲げる禁止行為に該当する事実を認める場合は、職員の懲戒の手続き及び効果に関する条例で定める懲戒規定を適用する。

(苦情処理委員会の設置)

第9条 ハラスメントに関する苦情を審議し、公正な処理を図るため、ハラスメント苦情処理委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、別表1に掲げる者の中から5人の委員をもつて構成する。

3 委員長は、総務課長をもつて充て、会務を統括する。

4 副委員長は、産業課長をもつて充て、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代理する。

5 委員会は、委員長が招集する。

6 委員会の庶務は、総務課総務係において処理する。

(苦情処理担当窓口の設置)

第10条 ハラスメントに関する苦情を受け付けるため、苦情処理を担当する職員(以下「窓口担当」という。)を配置する。

2 窓口担当は、別表2のとおりとする。

3 ハラスメントを受けている職員は、委員会に申し出る前に、いずれかの窓口担当に「ハラスメント苦情申出書(第1号様式)」により申し出なければならない。この場合において、被害を受けた当事者以外の職員が代わつて申し出ることができる。

4 窓口担当は、前項の規定による申し出をした職員(以下「申出人」という。)から申し出を受けたときは、当該ハラスメントを受けている職員及びその関係人から事情を聴取し、苦情処理に当たるものとする。

5 窓口担当は、相互に連携、協力し、苦情処理に当たるものとする。

6 窓口担当は、メンタル不調を訴える申出人に対しては、健康相談に関する窓口を案内する。

7 窓口担当は、第3項の規定による申し出を受けたときは、事実の概要について委員会に報告しなければならない。

(委員会への申出等)

第11条 窓口担当が委員会で処理することが適当と判断した場合または申出人が委員会での処理を申し出た場合は、窓口担当は、速やかに、委員会の開催を要求しなければならない。

(苦情の処理)

第12条 委員会は、前条の規定により委員会の開催の要求があつたときは、関係者による事情聴取を行うなど適切な調査活動を行い、迅速に案件を処理しなければならない。

2 委員会は、ハラスメントに該当する行為が認められた場合、認められなかつた場合それぞれにおいて、行為者に対し、必要な指導を行う。その際、必要に応じ行為者に対し、相談者との間の関係改善に向けた行動や相談者に対する謝罪についても指導するものとする。

3 委員会は、申出人や行為者の意向を十分に聴取した上で、事務の分掌の変更や人事異動の必要性を検討する。

4 委員会は、申出人が担当する行政サービスの利用者等からの言動で、当該行政サービスをめぐるそれまでの経緯やその場の状況により、その対応を打ち切りづらい中で行われるものであつて、当該言動を受ける申出人の担当する業務の範囲や程度を明らかに超える要求をするものに関する案件があつた場合には、その内容に応じて、適切に申出人の救済を図るものとする。

5 委員会で解決が困難な場合は、申出人が弁護士や他の相談機関に相談することを妨げない。

(プライバシーの保護等)

第13条 苦情処理に関与した職員は、当事者のプライバシーの保護に努め、申出人が申し出をしたことにより不利益を被らないように留意しなければならない。

附 則

(施行期日)

1 この要綱は、公布の日から施行する。

別表1(第9条関係)

委員

総務課長

産業課長

総務課長補佐

産業課長補佐

総務課企画財政係長

総務課総務係長

総務課民生係長

産業課産業建設係長

別表2(第10条関係)

窓口担当

総務課企画財政係長

総務課総務係長

総務課民生係長

画像

職員のハラスメントの防止等に関する要綱

令和2年12月1日 要綱第2号

(令和2年12月1日施行)