○職員等の旅費に関する条例
平成三年九月二十一日
条例第十八号
職員の旅費に関する条例(昭和二十八年条例第三号)の全部を改正する。
(目的)
第一条 この条例は、公務のために旅行する職員等(法第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員及び法第二十二条の二第一項第一号に掲げる会計年度任用職員を除く。以下同じ。)の旅費に関し、諸般の基準を定めることを目的とする。
一 所属長 任命権者又は任命権者の定めるところにより当該職員等に対し旅行命令の専決権を有する者をいう。
二 内国旅行 本邦(本州、北海道、四国、九州及び大蔵省令で定めるその附属の島の有する領域をいう以下同じ。)における旅行をいう。
三 外国旅行 本邦と外国(本邦以外の領域「公海を含む。」をいう。以下同じ。)との間における旅行及び外国における旅行をいう。
四 出張 職員等が公務のため一時その在勤庁を離れて旅行することをいう。
五 赴任 新たに採用された職員等がその採用に伴う移転のための住所若しくは居所から勤務地に旅行し又は転任を命ぜられた職員等がその転任に伴う移転のため旧勤務地から新勤務地に旅行することをいう。
六 帰住 職員等が退職し又は死亡した場合において、その職員等若しくはその扶養親族又はその遺族が生活の根拠地となる地に旅行することをいう。
七 扶養親族 職員等の配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で主として職員等の収入によつて生計を維持している者をいう。
八 遺族 職員等の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹並びに死亡当時職員等と生計を一にしていた他の親族をいう。
(旅費の支給)
第三条 職員等が出張し、又は赴任した場合には、当該職員等に対し、旅費を支給する。
一 職員等が出張又は赴任のための内国旅行中に退職、免職、失職又は休職(以下「退職等」という。」となつた場合(当該退職等に伴う旅行を必要としない場合を除く。)には、当該職員等
二 職員等が出張又は赴任のための内国旅行中に死亡した場合には、当該職員等の遺族
三 職員等が死亡した場合において当該職員等の本邦にある遺族がその死亡の日の翌日から三月以内にその居住地を出発して帰住したときは、当該遺族
四 職員等が出張のための外国旅行中に退職等となつた場合(当該退職等に伴う旅行を必要としなくなつた場合を除く。)には、当該職員等
五 職員等が出張のため外国旅行中に死亡した場合には、当該職員等の遺族
(旅行命令)
第四条 旅行は所属長の発する旅行命令によつて行われなければならない。
2 所属長は、電話、郵便等の通信による連絡手段によつて、公務の円滑なる遂行を図ることができない場合で、且つ、予算上旅費の支出が可能である場合に限り、旅行命令を発することができる。
4 所属長は、旅行命令を発し、又はこれを変更するには、旅行命令簿によつてこれをしなければならない。ただし、旅行命令簿によるいとまのないときは、口頭により旅行命令を発し、又はこれを変更することができる。この場合においては、すみやかに旅行命令簿に、その旅行に関する事項を記載し、これをその旅行者に提示しなければならない。
5 旅行命令簿の記載事項及び様式は、任命権者が定める。
(旅行命令に従わない旅行)
第五条 旅行者は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情により旅行命令(前条第三項の規定により変更された旅行命令を含む。以下本条において同じ。)に従つて旅行することができない場合には、あらかじめ所属長に旅行命令の変更の申請をしなければならない。
2 旅行者は、前項の規定による旅行命令の変更の申請をするいとまがない場合には、旅行命令に従わないで旅行した後、すみやかに所属長に旅行命令の変更の申請をしなければならない。
3 旅行者が前二項の規定による旅行命令の変更の申請をせず、又は申請したがその変更が認められなかつた場合において、旅行命令に従わないで旅行したときは、旅行者は、その旅行命令に従つた限度の旅行に対する旅費のみの支給を受けることができる。
(旅費の種類)
第六条 旅費の種類は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、日当、宿泊料、食卓料、移転料、着後手当、扶養親族移転料、支度料、旅行雑費及び死亡手当とする。
2 鉄道賃は、鉄道旅行について、路程に応じ旅客運賃等により支給する。
3 船賃は、水路旅行について、路程に応じ旅客運賃等により支給する。
4 航空賃は、航空旅行について、路程に応じ旅客運賃等により支給する。
5 車賃は、陸路(鉄道を除く。以下同じ。)旅行について、定額により支給する。
6 日当は、旅行中の日数に応じ一日当たりの定額により支給する。
7 宿泊料は、旅行中の夜数に応じ一夜当たりの定額により支給する。
8 食卓料は、水路旅行及び航空旅行中の夜数に応じ一夜あたりの定額により支給する。
9 移転料は、赴任に伴う住所又は居所の移転について、定額により支給する。
10 着後手当は、赴任に伴う住所又は居所の移転について、定額により支給する。
11 扶養親族移転料は、赴任に伴う扶養親族の移転について、支給する。
12 支度料は、外国への出張について、定額により支給する。
13 旅行雑費は、外国への出張に伴う雑費について、実費額により支給する。
14 死亡手当は、第三条第二項第五号の規定に該当する場合について、定額等により支給する。
15 研修及び講習等の旅行については、日当は支給しない。
(旅費の計算)
第七条 旅費は、最も経済的な通常経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算する。但し、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情により最も経済的な通常の経路又は方法によつて旅行し難い場合には、その現によつた経路及び方法によつて計算する。
第八条 旅費計算上の旅行日数は、旅行のために現に要した日数による。
第九条 旅行者が同一地域に滞在する場合における日当及び宿泊料は、その地域に到着した日の翌日から起算して滞在日数三十日をこえる場合には、そのこえる日数について定額の一割、滞在日数六十日をこえる場合には、そのこえる日数について定額の二割に相当する額にそれぞれの定額から減じた額による。
2 同一地域に滞在中一時他の地に出張した日数は、前項の滞在日数から除算する。
第十条 私事のために勤務地又は出張地以外の地に居住又は滞在する者がその居住地又は滞在地から直ちに旅行する場合において、居住地又は滞在地から目的地に至る旅費額が在任地又は出張地から目的地に至る旅費額より多いときは、当該旅行については、在勤地又は出張地から目的地に至る旅費を支給する。
第十一条 一日の旅行において日当又は宿泊料について定額を異にする事由が生じた場合には、額の多い方の定額による日当又は宿泊料を支給する。
第十二条 旅費は、内国旅行の旅費及び外国旅行の旅費とし、内国旅行の旅費を更に島内旅費及び島外旅費とする。
(島内旅費)
第十三条 島内の旅費は、次のとおりとし別表第一の定額とする。
一 日当の全額を支給する場合
イ 引き続き七時間以上にわたり村内の出張
二 日当定額の二分の一を支給する場合
ロ 引き続き七時間未満の村内の出張
2 公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情により宿泊する場合には、任命権者の定めるところにより別表第一の宿泊料定額の範囲内における実費額を支給することができる。
(島外旅費)
第十四条 島外旅費は、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、日当、宿泊料、食卓料とする。
(鉄道賃)
第十五条 鉄道賃の額は、旅客運賃、特別急行及び普通急行料金並びに座席指定料金による。
一 特別急行列車を運行する線路による旅行で片道百キロメートル以上のもの。
二 普通急行列車を運行する路線による旅行で片道五十キロメートル以上のもの。
三 運賃の等級を設けない線路による旅行の場合には、その乗車に要する運賃。
五 第一項に規定する座席指定料金は、普通急行列車を運行する線路による旅行で片道百キロメートル以上のものに該当する場合に限り、支給する。
(船賃)
第十六条 船賃の額は、旅客運賃(はしけ賃及びさん橋賃を含む。以下本条において「運賃」という。)及び寝台料金(これらのものに対する通行税を含む)により一等実費を支給する。ただし、運賃の等級を設けない船賃による旅行の場合には、その乗船にようする運賃及び公務上の必要により別に寝台料金並びに座席指定料金を必要とした場合には、運賃定額のほか、現に支払つた寝台料金並びに座席指定料金を支給する。
(航空賃)
第十七条 航空賃の額は、現に支払つた旅客運賃による。
第十八条 車賃の額は、別表第一の定額による。ただし、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情により定額の車賃を支弁することが出来ない場合には、実費額を支給することができる。
第十九条 日当、宿泊料及び食卓料の額は、別表第一の定額による。
2 食卓料は、船賃若しくは航空賃のほか別に食費を要する場合に支給する。
第二十条 移転料の額は、次の各号に規定する額による。
一 赴任の際扶養親族を移転する場合には、住所若しくは居所から勤務地までの路程に応じた別表第二の定額による額
二 赴任の際扶養親族を移転しない場合には、前号に規定する額の二分の一に相当する額
三 赴任の際扶養親族を移転しないが赴任を命ぜられた日の翌日から一年以内に扶養親族を移転する場合には、前号に規定する額
3 旅行命令権者は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情がある場合には、第一項第三号に規定する期間を延長することができる。
第二十一条 着後手当の額は、別表第一の日当定額の三日分及び宿泊料定額の三夜分に相当する額による。
第二十二条 扶養親族移転料の額は、次の各号に規定する額による。
一 赴任の際扶養親族を住所若しくは居所から勤務地まで随伴する場合には、赴任を命ぜられた日における扶養親族一人ごとに、その移転の際における年齢に従い、次の各号に規定する額の合計額
ア 十二歳以上の者については、その移転の際における職員等相当の鉄道賃、船賃、航空賃及び車賃の全額
イ 十二歳未満六歳以上の者については、アに規定する額の二分の一に相当する額
ウ 六歳未満の者については、その移転の際における職員等相当の三分の一に相当する額。但し、六歳未満の者を三人以上随伴するときは、二人をこえる者一人ごとにその移転の際における職員等相当の鉄道賃及び船賃の二分の一に相当する金額を加算する。
二 前号の規定に該当する場合を除く外、第二十条第一項第一号又は第三号の規定に該当する場合には、扶養親族の旧居住地から新居住地までの旅行について前号の規定に準じて計算した額。但し、前号の規定により支給することができる額をこえることができない。
2 職員等が赴任を命ぜられた日において胎児であつた子をその赴任の後移転する場合においては、扶養親族移転料の額の計算については、その子を赴任を命ぜられた日における扶養親族とみなして、前項の規定を適用する。
一 職員等が出張中に退職等となつた場合には、次に規定する旅費
ア 退職等となつた日(以下「退職等の日」という。)にいた地から退職等の命令の通達を受け、又はその原因となつた事実の発生を知つた日(以下「退職等を知つた日」という。)にいた地までの前職務相当の旅費
イ 退職等を知つた日の翌日から三月以内に出発して当該退職等に伴う旅行をした場合に限り、出張の例に準じて計算した退職等を知つた日にいた地から旧在勤地までの前職務相当の旅費
二 職員等が赴任中に退職等となつた場合には、赴任の例に準じ、且つ、新在勤地を旧在勤地とみなして前号の規定に準じて計算した旅費
一 職員等が出張中に死亡した場合には、死亡地から旧在勤地までの往復に要する前職務相当の旅費
二 職員等が赴任中に死亡した場合には、赴任の例に準じて計算した死亡地から新在勤地までの前職務相当の旅費
第二十六条 鉄道賃の額は、旅客運賃(以下本条において「運賃」という。)急行料金及び寝台料金(これらのものに対する通行税を含む。)の実費額による。
第二十七条 船賃の額は、旅客運賃(はしけ賃及びさん橋賃を含む。以下本条において「運賃」という。)及び寝台料金(これらのものに対する通行税を含む。)の実費額による。
第二十八条 航空賃の額は、旅客運賃(本条において「運賃」という。)の実費額による。
第二十九条 日当、宿泊料、食卓料及び支度料は、別表第三の定額による。
2 車賃は、実費額による。
第三十条 旅行雑費の額は、旅行者の予防注射料、旅券の交付手数料及び査証手数料、外貨交換手数料並びに入国税の実費額による。
(旅費の調整)
第三十二条 任命権者は、旅行者が公用の交通機関、宿泊施設等を利用して旅行した場合その他この条例により正規の旅費を支給することが不当に旅行の実費をこえる場合においては、その実費をこえることとなる部分の旅費について旅費の全部又は一部を支給しないことができる。
2 旅行者がこの条例の規定による旅費により旅行することが当該旅行における特別の事情により又は当該旅行の性質上困難である場合には、任命権者は、必要とする旅費を支給することができる。
第三十三条 この条例に定めがあるもののほか実施上必要な事項は、任命権者が定める。
附 則
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 改正後の職員等の旅費に関する条例の規定は、この条例の施行の日以後に出発する旅行から適用し、同日前に出発した旅行については、従前の例による。
附 則(平成五年条例第九号)
この条例は、公布の日から施行し、平成五年四月一日から適用する。
附 則(平成八年条例第一二号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成二八年条例第五号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和元年条例第一二号)
この条例は、令和二年四月一日から施行する。
別表第一 内国旅行の旅費
区分 | 車賃 (一日につき) | 日当 (一日につき) | 宿泊料 (一夜につき) | 食卓料 (一夜につき) |
四級以上の職務にある者 | 一、六〇〇円 | 一、八〇〇円 | 一一、〇〇〇円 | 一、八〇〇円 |
三級以下の職務にある者 | 一、五〇〇円 | 一、七〇〇円 | 一〇、〇〇〇円 | 一、七〇〇円 |
備考 村長、議長等に随行する場合は、その旅行の必要範囲において同額を支給する。
別表第二 移転料
移転料 二五〇、〇〇〇円
別表第三 外国旅行の旅費
区分 | 日当 (一日につき) | 宿泊料 (一日につき) | 食卓料 (一日につき) | 支度料 | 死亡手当 |
支給額 | 三、八〇〇円 | 一一、六〇〇円 | 五、八〇〇円 | 七七、〇〇〇円 | 四〇〇、〇〇〇円 |